落書き島より

好きなだけ落書きだー!

『VA-11 Hall-A』

 楽しかった!!

 最近、熱気が込もっているsteamインディーズゲー界隈で、またもや素晴らしいゲームが出ていた。

 

 プレイ画面はコッテコテのレトロ風、舞台は近未来ときた、一定層を狙い撃ちしたとしか思えないアドベンチャーゲーム

 

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  この都市、グリッチシティは犯罪と汚職にまみれており、その一角のあるバーで、主人公ジルはバーテンダーとして働いている。バーの名は、タイトルの通り『VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)』。

  ジルは、ヴァルハラで時折り安らぎを求めてくる客の相手をし、望み通りのカクテルをつくる日々を送っている。プレイヤーが世界に干渉できるのは、まさにこの部分だけ。ジルを操作し、その客に提供したカクテルによって、多少の分岐が生じてくる(つまり、これが一般的なアドベンチャーゲームの選択肢に相当する)。それ以外の場面では、ただジルや客の会話を聞いていることしかできない。

 

 けれども、ここがこのゲームの魅力なのだ。プレイヤーはずっとバーで話を聞いているだけのはずなのに、客たちが外のグリッチシティで体験してきたことに耳を傾ければ、プレイヤー自身もその住民になったかのような気分が味わえる。

 「なんか今日は外で銃声みてーな音がするな」「いやありゃ爆竹じゃねーの。お前、銃声聞いたことねーのかよ」「ちげーよ、ドローンだよドローン。この辺で実験やってるって聞いたぜ」みたいな。

 そのうち、バーに集まってきた個性的なキャラクターたちが知り合い、親しくなる場面にも遭遇できたりする。シナリオが終盤に近付き、キャラクターたちに愛情をもってからだと感慨もひとしおだ。

 

 ちなみに、僕の推しキャラはセックスワーカーのドロシーだ。幼い見た目に反し、精神年齢二十代という「リリム(作中のアンドロイド的な存在)」で、娼婦業を生業としている。普段はやや大人びた態度でリリムとしての生き方を模索しているが、時折り見た目を利用して、周囲に甘えて困らせたりするところがかわいい。

 

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 なお、作品舞台は、開発チームの拠点であるベネズエラから多大な影響を受けているらしい。作中のSF的な描写でぼかされている部分も、もしかしたらベネズエラの実情から筆を執ったものかもしれない。そんな風に多角な視点から考察もできる、素晴らしいゲームだ。